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塗装コラム

下塗り・中塗り・上塗りの役割の違い

2026年7月4日

下塗り

「三度塗りって言われたけど、なんで3回も塗るんですか?」「中塗りと上塗りは同じ塗料なのに、なぜ2回に分けるんですか?」――見積書を見たお客様から、よくいただくご質問です。

千葉県野田市で外壁塗装ひと筋18年、施工実績500棟以上の優建装・田中です。三度塗りは、外壁塗装の品質を保つために絶対に省略してはいけない基本中の基本です。でも、それぞれの工程にどんな意味があるのかを知っている方は意外と少ないのが実情です。

この記事では、下塗り・中塗り・上塗りの役割の違いと、なぜ3回塗る必要があるのかを現場の視点からわかりやすくお伝えします。読み終わるころには、三度塗りの必要性を理解し、見積書の塗装回数をチェックできるようになります。

下塗り・中塗り・上塗りの役割|一覧比較

まずは3つの工程の役割を一覧で把握してください。

工程 使う塗料 役割 省略したらどうなる?
下塗り(1回目) シーラー・フィラー・プライマー等(専用下塗り材) 下地と上塗り塗料の接着剤の役割。下地の吸い込みを止め、塗料の密着力を確保する 上塗り塗料が密着せず、数年で剥がれ・浮きが発生
中塗り(2回目) 仕上げ用塗料(上塗りと同じ塗料) 塗膜に厚みをつける。防水性・耐候性を確保するために必要な膜厚を作る 塗膜が薄くなり、耐久年数が大幅に短くなる
上塗り(3回目) 仕上げ用塗料(中塗りと同じ塗料) 塗膜の仕上げと保護。ムラをなくし、紫外線・雨風に耐える表面を作る ムラが残り、見た目も耐久性も中途半端に

ひとことで言うと、下塗りは「くっつける」、中塗りは「厚みを出す」、上塗りは「仕上げる」。この3つの役割はそれぞれ違うため、どれか1つでも省略すると塗装の品質が大幅に落ちます。

各工程を詳しく解説|プロの現場ではこう塗っている

下塗り|すべての土台になる最も重要な工程

外壁塗装で最も重要な工程は?と聞かれたら、私は迷わず「下塗り」と答えます。下塗りは外壁の下地と仕上げ塗料をつなぐ「接着剤」の役割を果たします。ここをしっかりやらないと、いくら高い塗料を使っても密着せず、数年で剥がれてしまいます。

下塗り材は外壁の状態によって使い分けます。

シーラー:サイディングや状態の良い外壁に使用。さらっとした液体で、下地に浸透して吸い込みを止めます。最も一般的な下塗り材です。

フィラー:モルタル外壁やひび割れが多い外壁に使用。シーラーより厚みがあり、細かいひび割れを埋める効果があります。

プライマー:金属面や特殊な下地に使用。鉄部のサビ止め効果を兼ねたプライマーもあります。

野田市・流山市の住宅で多いサイディング外壁であればシーラーを使うことがほとんどですが、築20年以上のモルタル外壁ではフィラーを使うケースもあります。この判断は現場の外壁の状態を見て決めるもので、マニュアル通りにはいきません。だからこそ、経験のある職人の目が必要なんです。

中塗り|塗膜の厚みをつくる工程

中塗りでは仕上げ用の塗料を1回目として塗ります。塗料メーカーが「この塗料はこの膜厚で塗ってください」と規定している厚みを確保するために、中塗り+上塗りの2回が必要です。1回では規定の膜厚に達せず、塗料の性能がフルに発揮されません。

たとえるなら、薄いペンキを1回塗っただけでは下地が透けて見えますよね。2回塗ることで初めてしっかりとした色味と厚みが出るのと同じです。

上塗り|仕上げと保護の最終工程

上塗りは中塗りで作った膜の上にさらにもう1層重ねて、表面を均一に仕上げる工程です。中塗りだけだとローラーの跡や微妙なムラが残ることがありますが、上塗りで表面が整い、美しい仕上がりになります。

また、上塗りの表面は紫外線や雨風に直接さらされるため、ここがしっかり塗られていないと塗膜全体の耐久性が落ちます。

中塗りと上塗りで色を変える理由

「中塗りと上塗りは同じ塗料なのに、なぜ2回に分ける必要があるのか」というご質問をよくいただきます。理由は先ほどお伝えした通り「膜厚を確保するため」ですが、ここで一つ問題があります。同じ色の塗料を2回塗ると、本当に2回塗ったのかどうか外から見ても区別がつかないんです。

そこで私は、中塗りと上塗りで塗料の色をほんの少しだけ変えて施工するようにしています。中塗りの段階で写真を撮り、上塗り後にも写真を撮ることで、確実に2回塗っていることをお客様に目で確認していただけます。

これは業界では珍しいやり方ではありませんが、全員がやっているわけでもありません。私がこだわっている理由は「自分の仕事を証明できるようにしておきたい」からです。足場にネットがかかった状態では外から作業が見えないぶん、写真による記録が信頼の担保になります。

手抜き工事の見分け方|見積書と現場のチェックポイント

見積書でチェックすべきポイント

見積書を見るとき、以下の3点を確認してください。

① 「下塗り」「中塗り」「上塗り」が明記されているか
「外壁塗装一式」とだけ書かれた見積書では、何回塗るのかわかりません。3つの工程がそれぞれ記載されていることを確認してください。

② 下塗り材と仕上げ塗料の両方に製品名が書かれているか
下塗り材と仕上げ塗料は別の製品です。両方のメーカー名・製品名が書かれている見積書は、工程を明確に管理している証拠です。

③ 塗り面積(㎡)が記載されているか
面積の記載があれば、塗料の使用量が適正かどうかも確認できます。面積が書かれていない見積書は、塗料を薄めて使ったり、回数を省略したりしても分かりにくくなります。

手抜きが見つかった実体験

以前、流山市のお客様から「前回の塗装から5年しか経っていないのに塗膜が剥がれてきた」というご相談を受けました。私が現地で状態を確認したところ、塗膜が異常に薄く、下塗りがほとんど効いていない様子でした。おそらく下塗りを省略しているか、極端に薄く塗っていた可能性が高いです。

このお宅は結局、前回の塗装からわずか5年で再塗装が必要になりました。もし最初からきちんと三度塗りをしていれば、10年以上は持っていたはずです。「安い見積もりに飛びついたのが失敗だった」とお客様はおっしゃっていましたが、安さの裏には理由がある典型的なケースでした。


よくあるご質問

二度塗りで済むケースもありますか?

外壁塗装においては、基本的にありません。塗料メーカーが定めている仕様は三度塗り(下塗り+中塗り+上塗り)が標準です。「二度塗りでも大丈夫」と言う業者がいたら、その根拠を具体的に確認してください。

四度塗り・五度塗りのほうが長持ちしますか?

単純に回数を増やせば良いわけではありません。塗料には適正な膜厚があり、厚く塗りすぎるとかえって剥がれやすくなることがあります。メーカーの仕様通りの三度塗りが最も品質が安定します。ただし下地の吸い込みが激しい場合は下塗りを2回行うことがあり、計四度塗りになるケースはあります。

施工中に三度塗りしているか確認する方法はありますか?

作業の進捗報告を写真やLINEで毎日もらうことが最も確実です。「下塗り完了」「中塗り完了」「上塗り完了」の3段階で報告写真を送ってくれる業者なら安心できます。私の場合は中塗りと上塗りで色を変えて撮影し、確実に2回塗っていることを目で確認していただけるようにしています。

下塗りの色は何色ですか?

下塗り材の色は白や透明が一般的です。シーラーは透明〜乳白色、フィラーは白が多いです。仕上げの色には影響しませんのでご安心ください。

塗装工程について気になることがあれば、お気軽にご相談ください

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田中 優(たなか ひろ)|優建装 代表

千葉県野田市を拠点に創業18年・施工実績500棟以上。アステックペイント登録店・プレマテックス取扱許可。現地調査から施工・アフターまで代表1人が責任対応。「一棟一棟大切に」を信条に、地域密着で誠実な仕事を続けています。

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