千葉県野田市で外壁塗装業を営んでいる、優建装の田中です。創業18年、500棟以上の施工をしてきました。
ふと見上げると、軒天の塗装が剥がれていた——そんな経験はありませんか?軒天(のきてん)は屋根の裏側にあたる部分で、普段は目に入りにくいため劣化に気づくのが遅れがちです。この記事では、軒天の剥がれをDIYで補修できる範囲と、手を出すと悪化するケースを職人の目線でお伝えします。
軒天の役割と剥がれる原因
軒天は単なる見た目の仕上げ材ではありません。屋根裏への雨水の吹き込みを防ぐ、屋根裏の換気を助ける(有孔板の場合)、火災時の延焼を遅らせるといった重要な役割があります。
剥がれる主な原因は以下の3つです。
- 経年劣化:紫外線は当たりにくいものの、湿気がこもりやすく塗膜が劣化する
- 結露・湿気:屋根裏の換気が不十分だと内側から結露し、塗膜が浮く
- 雨漏り:屋根や雨樋の不具合で水が軒天裏に回り、板材そのものが傷む
野田市や流山市のように川沿いで湿度が高いエリアでは、結露による軒天の劣化が特に目立ちます。私が見てきた現場でも、北面の軒天だけ塗膜がボロボロに剥がれているケースが少なくありません。
軒天の劣化レベルとDIY可否の判断表
軒天の剥がれにはいくつかの段階があります。以下の表で、ご自宅がどのレベルか確認してください。
| 劣化レベル | 症状 | DIY | 対処法 |
|---|---|---|---|
| 軽度 | 色あせ・チョーキング | ◯ | 塗り替え(EP・AEP塗料) |
| 中度 | 塗膜の部分的な剥がれ・浮き | △ | ケレン+塗り替え(1階軒天のみ) |
| 重度 | 板材の反り・穴あき・カビ | ✕ | 部分張り替え+塗装(業者に依頼) |
| 危険 | 板材が垂れ下がっている・脱落 | ✕ | 全面張り替え+原因調査(業者に依頼) |
DIYで対応できるのは軽度〜中度の1階部分のみです。2階の軒天は脚立では届かず、足場が必要になります。足場なしで無理に作業すると転落の危険があるため、2階の軒天は必ずプロに依頼してください。
DIYで軒天を塗り替えるときの注意点
1階の軒天で劣化が軽度〜中度の場合、DIYで塗り替えることは可能です。ただし、以下の注意点を必ず守ってください。
有孔板(換気口付き板)には高圧洗浄をかけない
軒天には小さな穴が無数に空いた「有孔板」が使われていることがあります。これは屋根裏の換気のための穴です。ここに高圧洗浄をかけると、水が穴から屋根裏に入り込み、断熱材や構造材を濡らしてしまいます。流山市のお客様で、DIYで軒天を洗浄した際に有孔板から水が入り、天井にシミが出たケースがありました。有孔板の軒天はブラシで軽く汚れを落とす程度にとどめてください。
水の出口を塞がない
これが最も危険な失敗です。軒天の板材の継ぎ目や有孔板の穴を、DIYでパテやコーキングで塞いでしまう方がいます。見た目はきれいになりますが、屋根裏の湿気の逃げ道を塞ぐことになり、内部に結露が溜まって木材が腐る原因になります。
春日部市のお客様から「軒天がブカブカに柔らかくなった」と相談を受けて調査したところ、以前のDIY補修で有孔板の穴をコーキングで全て埋めてしまっていました。換気が止まったことで屋根裏に結露が溜まり、合板が水を吸って傷んでいたのです。結果的に軒天の全面張り替えが必要になり、DIYで節約するつもりが修繕費が大幅に増えてしまいました。
塗料はAEP(水性アクリルエマルション)を使う
軒天の塗装にはAEP(水性アクリルエマルション塗料)が定番です。通気性があり、湿気がこもりにくいのが特長です。外壁用のシリコン塗料やフッ素塗料は通気性が低いため、軒天には向きません。ホームセンターで「軒天用」「屋内・軒天用」と書かれた水性塗料を選んでください。
プロに任せるべき「危険ライン」
以下に一つでも当てはまったら、DIYではなく業者に相談してください。
- 板材が柔らかくなっている:指で押すとへこむ状態は、内部が腐っている証拠
- シミや変色が広がっている:雨漏りの可能性があり、軒天だけの問題ではない
- 板材が垂れ下がっている・脱落している:張り替えが必要で、原因調査も不可欠
- 2階以上の軒天:足場がなければ安全に作業できない
軒天の剥がれは外壁の劣化と連動していることも多いため、外壁の劣化サイン8つと合わせてチェックすることをおすすめします。外壁の剥がれへの対処法は塗装の剥がれ|やることとNG行動でも解説しています。
軒天の補修費用の目安
| 工事内容 | 費用目安(税込) |
|---|---|
| 軒天塗装のみ(30坪の家・全周) | 5万〜10万円(外壁塗装と同時なら足場代込み) |
| 軒天の部分張り替え+塗装 | 10万〜20万円(範囲による) |
| 軒天の全面張り替え+塗装 | 25万〜40万円+足場代 |
軒天だけのために足場を組むと15万〜20万円かかります。外壁塗装と同時に施工すれば足場を共用できるため、費用を大幅に抑えられます。野田市のお客様でも「外壁塗装のついでに軒天も」という方がほとんどです。
よくあるご質問
軒天の剥がれを放置するとどうなりますか?
放置すると板材が水を吸い続け、腐食が進みます。最悪の場合、板材が脱落して屋根裏がむき出しになり、害虫や鳥が侵入するリスクもあります。剥がれを見つけたら早めの対処が大切です。
軒天の色は外壁と合わせたほうがいいですか?
軒天は白系で仕上げるのが定番です。白は光を反射して軒下を明るく見せる効果があり、外壁の色を問わず合います。外壁と同じ色にすることも可能ですが、暗い色は汚れが目立ちやすいのでご注意ください。
ケイカル板の軒天は塗装できますか?
はい、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)は塗装可能です。耐火性に優れているため近年の住宅で多く使われています。ただし、ケイカル板にも有孔タイプがあるため、高圧洗浄は避けてブラシでの清掃と塗装で仕上げます。
田中 優(たなか ひろ)|優建装 代表
千葉県野田市を拠点に創業18年・施工実績500棟以上。アステックペイント登録店・プレマテックス取扱許可。現地調査から施工・アフターまで代表1人が責任対応。「一棟一棟大切に」を信条に、地域密着で誠実な仕事を続けています。
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