千葉県野田市で外壁塗装業を営んでいる、優建装の田中です。創業18年、500棟以上の施工をしてきました。
「ホームセンターで外壁塗料を買って、自分で塗り直せば安く済むのでは?」——DIYで費用を抑えたい気持ちはよくわかります。実際、部分的な補修であれば市販塗料でも十分対応できるケースはあります。ただし、外壁全面の塗り替えとなると話は別です。この記事では、市販塗料とプロ用塗料の違いを正直にお伝えし、「DIYでやっていい範囲」と「やめたほうがいい範囲」の線引きをはっきりさせます。
市販塗料とプロ用塗料の違い
ホームセンターの外壁用塗料とプロが使う塗料は何が違うのか。主な違いを比較します。
| 比較項目 | 市販塗料(ホームセンター) | プロ用塗料(業務用) |
|---|---|---|
| 価格(1缶あたり) | 3,000〜8,000円 | 15,000〜40,000円 |
| 耐用年数 | 3〜5年 | 10〜25年(グレードによる) |
| 樹脂のグレード | アクリル〜ウレタン中心 | シリコン・フッ素・無機 |
| 下塗り材の設定 | 「下塗り不要」を謳う製品が多い | 下塗り・中塗り・上塗りの3工程が前提 |
| 色数・調色 | 既製色のみ | 調色で自由に色を作れる |
| 入手方法 | 店頭で誰でも買える | 塗料販売店経由(一般販売しないメーカーも) |
最大の違いは耐用年数です。市販塗料の多くはアクリル系で、仕上がりは悪くなくても3〜5年で塗膜が劣化します。プロ用のシリコン塗料なら10年以上持つため、長期的に見ると市販塗料で何度も塗り直すよりプロに1回頼んだほうが安く済むケースが多いです。塗料のグレードについて詳しく知りたい方は外壁塗料の選び方をご覧ください。
DIYでやっていい範囲・やめるべき範囲
私の本音は「部分補修ならDIYでOK。全面塗り替えはプロに頼んでください」です。その理由を説明します。
DIYでOKなケース
- ウッドデッキ・木製フェンスの塗り直し:地面に近く安全に作業でき、失敗しても大きな影響がない
- 1階の外壁の小さな傷・欠けの補修:タッチアップ程度であれば市販塗料で十分
- 門柱・ブロック塀の塗装:高所作業が不要で、塗り直しも容易
DIYをやめるべきケース
- 外壁全面の塗り替え:足場が必要。下地処理・3回塗りの工程管理は素人には難しい
- 2階以上の高所作業:脚立やはしごでの作業は転落の危険がある
- 下地の劣化が進んでいる場合:塗料を塗る前に原因を特定して処理する必要がある
野田市のお客様で、2階の外壁をDIYで塗り替えようとした方がいました。はしごを壁に立てかけてローラーで塗っていたのですが、塗りムラがひどく、1年後に広範囲で剥がれが発生。結局プロに全面塗り替えを依頼し、DIYで買った塗料代と道具代がまるごと無駄になってしまいました。
市販塗料でDIYした場合の「落とし穴」
「下塗り不要」でも下塗りは必要
ホームセンターには「下塗り不要」と書かれた外壁用塗料が並んでいますが、これは壁の状態が良い場合に限った話です。チョーキングが出ている壁や、前回の塗膜が劣化している壁に下塗りなしで塗ると、新しい塗料が壁に密着せず、数ヶ月で浮いてくることがあります。
道具を揃えるだけで意外と高くつく
塗料だけ買えばいいと思いがちですが、実際にはローラー・刷毛・養生テープ・マスカー・高圧洗浄機のレンタル・脚立など、道具代だけで2〜5万円はかかります。塗料代と合わせると10万円近くなることも珍しくなく、「安く済ませるつもりが意外と高くついた」というのはDIYあるあるです。
仕上がりの差は想像以上に大きい
流山市のお客様がDIYで外壁を塗った後、「色ムラが気になって近所の目が恥ずかしい」とご相談に来られたことがあります。プロはローラーの回転速度・塗料の含み量・塗り方向を一定にして均一な仕上がりを出します。この技術は動画を見ても簡単には身につきません。
「DIY失敗→プロに依頼」の修繕費用
DIYで塗った上からプロが塗り直す場合、通常の塗り替えより費用が高くなることがあります。理由は、DIYで塗った塗膜を剥がす作業(ケレン)が余分に必要になるためです。
| パターン | 費用目安(30坪) |
|---|---|
| 最初からプロに依頼した場合 | 75万〜135万円 |
| DIY失敗後にプロに修繕を依頼した場合 | 90万〜150万円(ケレン追加) |
| DIYの塗料代+道具代(無駄になった分) | 5万〜10万円 |
春日部市のお客様で実際にこのパターンを経験された方は、「最初からプロに頼んでおけばよかった。DIYの分だけ余計にお金がかかった」とおっしゃっていました。部分補修ならDIYでいいですが、全面塗り替えに関してはプロに任せるほうが結果的に安上がりです。
よくあるご質問
ホームセンターの塗料でも10年持つ製品はありますか?
シリコン系の市販塗料であれば「耐久8〜10年」を謳う製品もあります。ただし、カタログ値は理想的な施工条件での数字です。下地処理が不十分だったり塗り方にムラがあったりすると、実際にはカタログ値より大幅に短くなります。
プロ用塗料を個人で買うことはできますか?
メーカーによります。日本ペイントやエスケー化研の一部製品はネット通販で購入可能ですが、アステックペイントのように認定業者にしか卸さないメーカーもあります。買えたとしても、適切な下塗り材の選定や希釈率の管理はプロの知識が必要です。
外壁の一部だけDIYで塗ると色の差が目立ちますか?
目立ちます。既存の塗膜は経年で退色しているため、新しい塗料で部分的に塗ると色の境目がはっきり出ます。応急処置としてのタッチアップは仕方ありませんが、見た目を気にするなら全面の塗り替えをプロに依頼するのがベストです。
田中 優(たなか ひろ)|優建装 代表
千葉県野田市を拠点に創業18年・施工実績500棟以上。アステックペイント登録店・プレマテックス取扱許可。現地調査から施工・アフターまで代表1人が責任対応。「一棟一棟大切に」を信条に、地域密着で誠実な仕事を続けています。
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