「ホームセンターのコーキング材コーナーに行ったら種類が多すぎて、どれを買えばいいかわからなかった」――DIYでコーキング補修をしようと思った方から、よく聞く声です。
千葉県野田市で外壁塗装ひと筋18年、施工実績500棟以上の優建装・田中です。コーキング(シーリング)は外壁の防水に欠かせない材料ですが、種類を間違えると塗装が密着しなかったり、すぐに劣化したりと取り返しのつかない失敗につながります。
この記事では、プロが実際に使い分けているコーキング材の種類と選び方、そしてDIYでやっていいラインとプロに任せるべきラインをお伝えします。読み終わるころには、ホームセンターでコーキング材を自分で選び、正しい用途のものを購入できるようになります。
コーキング材4種類の違い|用途別の比較表
ホームセンターで手に入るコーキング材は、大きく4種類に分かれます。まずは全体像を把握してください。
| 種類 | 主な用途 | 塗装の上塗り | 耐久性 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| シリコン系 | 浴室・キッチン・ガラス周り | ✕ 不可 | ◎ | 耐水性は最強だが、塗料を弾くため外壁には絶対NG |
| 変成シリコン系 | 外壁目地・サッシ周り・外部全般 | ◎ 可能 | ◎ | 外壁補修のスタンダード。塗装の上塗りが可能 |
| ウレタン系 | コンクリートのひび割れ・外壁目地 | ◎ 可能 | ○ | 密着性が高いが紫外線に弱い。上から塗装が前提 |
| アクリル系 | 室内の壁紙補修・軽微な隙間埋め | ◎ 可能 | △ | 水性で扱いやすいが耐久性は低い。外壁には不向き |
ここで最も重要なのは、「シリコン系」と「変成シリコン系」は名前が似ているがまったくの別物という点です。次の章で詳しく解説します。
外壁にシリコン系コーキングは絶対NG|最も多い間違い
DIYで外壁のコーキング補修をする際、最も多い致命的な間違いは「シリコン系」を外壁に使ってしまうことです。
シリコン系コーキングは耐水性が高く、浴室やキッチンの水回りには最適です。ホームセンターでも一番目立つ場所に置いてあることが多く、価格も安いため、つい手に取ってしまいがちです。
しかしシリコン系には「シリコンオイル」が含まれており、これが周囲に染み出して塗料を弾いてしまいます。一度シリコン系を外壁に使ってしまうと、その上から塗装ができなくなるんです。将来の塗り替え時に、シリコンが付着した箇所だけ塗料が乗らず、結局その部分をすべて削り取ってやり直すことになります。
私も野田市のお客様のお宅で、以前DIYでシリコン系コーキングを外壁の目地に打ってしまったケースに遭遇したことがあります。塗り替えの際にそこだけ塗料が弾かれてしまい、プライマー(下塗り材)を何度も重ねて対処しましたが、手間と時間が通常の倍以上かかりました。
外壁に使うなら、必ず「変成シリコン系」を選んでください。パッケージに「変成」と書いてあるかどうかを必ず確認してください。
プロが実際に使っているコーキング材
参考までに、私が現場で実際に使っているコーキング材をご紹介します。
外壁目地(サイディングの継ぎ目):変成シリコン系
外壁のサイディング目地には変成シリコン系を使います。私がよく使うのはオート化学工業の「オートンイクシード」です。耐久年数が長く、塗装との相性も良い製品です。ホームセンターでは置いていないことが多いのですが、ネット通販で購入できます。
ホームセンターで手に入る変成シリコン系なら、セメダインの「POSシール」やコニシの「ボンド 変成シリコンコーク」が入手しやすいです。「外壁・サイディング用」と明記されているものを選べば間違いありません。
サッシ周り・外壁と窓枠の取り合い部分:変成シリコン系
サッシ周りも変成シリコン系が基本です。窓枠と外壁のすき間は雨水の浸入経路になりやすい箇所なので、密着性と耐候性のバランスが重要です。
コンクリートのひび割れ:ウレタン系
基礎のコンクリートや土間のひび割れにはウレタン系を使うことがあります。密着性が高く、ひび割れへの追従性も優れています。ただしウレタン系は紫外線に弱いため、補修後に上から塗装するか、日が当たらない箇所に使うのがポイントです。
DIYでできる範囲とプロに任せるべきライン
コーキング補修はDIYでできる範囲がありますが、限界もあります。以下を目安にしてください。
DIYでOKな範囲
① 幅5mm以下の細いひび割れの充填
外壁のヘアークラック(髪の毛ほどの細いひび割れ)に変成シリコン系を薄く充填する程度は、DIYでも対応可能です。
② サッシ周りの部分的な補修
窓枠の一部でコーキングが痩せている・剥がれている箇所に、変成シリコン系を打ち足す程度であればDIYで対応できます。
③ 室内の壁紙の隙間埋め
壁紙と巾木のすき間、壁紙同士の継ぎ目のすき間にはアクリル系コーキングを使います。水性なので扱いやすく、はみ出しても濡れた指で簡単にならせます。
プロに任せるべき範囲
① 外壁目地の全面打ち替え
サイディング外壁の目地を全面的に打ち替える作業は、古いコーキングの撤去・プライマー塗布・適切な充填量の管理など、技術と経験が必要です。仕上がりが悪いと防水性が確保できず、雨漏りにつながります。
② 高所(2階以上)の作業
脚立で届かない高さの作業は、足場がなければ安全にできません。転落事故のリスクがありますので、高所作業は絶対に無理をしないでください。
③ 幅0.3mm以上のひび割れ
幅0.3mm以上の構造クラックは、表面をコーキングでふさぐだけでは根本的な解決にならないことが多いです。下地の状態を確認し、適切な補修方法を判断する必要があります。
野田市・流山市のように江戸川沿いで湿度の高い地域では、コーキングの劣化スピードが比較的早い傾向があります。DIYで応急処置をした場合でも、いずれは全面的な打ち替えが必要になることがほとんどです。「応急処置は自分で、本格的な補修はプロに」という使い分けが最も賢い方法です。
よくあるご質問
コーキングとシーリングは何が違うんですか?
実質的には同じものです。JIS規格上は「シーリング」が正式名称ですが、現場では「コーキング」と呼ばれることが多いです。ホームセンターでは「コーキング」「シーリング」どちらの表記もありますが、同じ商品と考えて問題ありません。
コーキングガンは必要ですか?どれを選べばいいですか?
カートリッジタイプのコーキング材を使うならコーキングガンが必要です。ホームセンターで300〜800円程度で購入できます。DIY用途であれば安価なもので十分ですが、回転式(ローラー付き)のものを選ぶと力加減が安定しやすくおすすめです。
マスキングテープは必要ですか?
必ず使ってください。コーキングを打つ箇所の両側にマスキングテープを貼り、はみ出しを防ぎます。テープを貼らずに施工すると周囲が汚れ、仕上がりが雑になります。コーキングを打ったらすぐにテープを剥がすのがきれいに仕上げるコツです。乾いてから剥がすとテープの跡が残ります。
古いコーキングの上から新しいコーキングを打っても大丈夫ですか?
応急処置としてはある程度有効ですが、長持ちはしません。古いコーキングが劣化している場合、その上に新しいものを乗せても密着力が弱く、数年で剥がれてくることがあります。本格的な補修は、古いコーキングを完全に撤去してから打ち直す「打ち替え」がベストです。
田中 優(たなか ひろ)|優建装 代表
千葉県野田市を拠点に創業18年・施工実績500棟以上。アステックペイント登録店・プレマテックス取扱許可。現地調査から施工・アフターまで代表1人が責任対応。「一棟一棟大切に」を信条に、地域密着で誠実な仕事を続けています。
📞 080-4291-7586(受付 8:00〜19:00・年中無休)
