千葉県野田市で外壁塗装業を営んでいる、優建装の田中です。創業18年、500棟以上の施工をしてきました。
「3社に見積もりを取ったら、75万・110万・145万でバラバラなんですけど……」。こうしたご相談をいただくことは珍しくありません。同じ家を見ているはずなのに、なぜここまで金額が違うのか。実は「金額が違う」のではなく、見積もっている中身が違うケースがほとんどです。この記事では、業者側の目線から金額差の正体をお伝えし、3社の見積もりを比較するときに本当に見るべきポイントを解説します。
金額がバラバラになる3つの理由
理由①:工事範囲が違う
金額差の最大の原因はこれです。外壁塗装の見積もりには、壁を塗る作業だけでなく、コーキング(目地の打ち替え)、軒天・破風・雨樋などの付帯部、木部・鉄部の塗装、下地補修といった工程が含まれます。安い見積もりは、これらの工程の一部を「含まない」か「追加工事扱い」にしている可能性があります。
野田市のお客様の事例ですが、A社75万・B社110万という見積もりを比べたところ、A社にはコーキング打ち替えと軒天塗装が含まれていませんでした。その分を追加すると結局105万円になり、実質的な差はわずか5万円でした。
理由②:塗料のグレードが違う
シリコン塗料とフッ素塗料では、材料費だけで㎡あたり500〜1,000円の差がつきます。30坪の家なら外壁面積が約120㎡として、塗料の差だけで6万〜12万円変わる計算です。見積書に「シリコン塗装」としか書いていない場合、メーカー名・商品名を確認してください。同じ「シリコン」でもグレードに幅があります。野田市の費用相場ガイドで塗料ランクごとの相場を把握しておくと、金額の妥当性を判断しやすくなります。
理由③:会社の構造が違う
大手ハウスメーカーや訪問販売会社は、営業マンの人件費・広告費・下請け管理費が上乗せされます。同じ工事内容でも、自社施工の塗装店と比べて20〜40%高くなることは珍しくありません。流山市のお客様で、訪問販売会社の見積もり180万円に対して私が同条件で出した見積もりが115万円だったケースがあります。工事範囲も塗料も同じで、差の正体は中間マージンでした。
見積もりを比較するときのチェックリスト
3社の見積もりを横に並べたとき、以下のポイントを一つずつ確認してみてください。金額ではなく「中身」が揃っているかどうかが判断の鍵です。
| チェック項目 | 確認すること | 要注意パターン |
|---|---|---|
| 塗料のメーカー・商品名 | 3社とも同グレードか | 「シリコン塗装」のみで商品名がない |
| 塗り回数 | 下塗り・中塗り・上塗りの3回か | 「2回塗り」と記載(下塗り省略の可能性) |
| コーキング工事 | 打ち替えか増し打ちか、範囲はどこまでか | 「一式」で数量・範囲が不明 |
| 付帯部の塗装 | 軒天・破風・雨樋・雨戸は含まれるか | 「別途」「追加見積もり」と書かれている |
| 下地補修 | ひび割れ・欠損の補修は含まれるか | 「発生した場合は別途請求」 |
| 足場代 | 含まれているか、金額は妥当か | 「足場無料」(他の項目に上乗せの可能性) |
| 保証内容 | 何年保証か、保証範囲は明記されているか | 口頭のみで書面がない |
「一式」が多い見積書には特に注意してください。
「安すぎる見積もり」に潜むリスク
3社の平均から大きく外れた安い見積もりには理由があります。私の経験上、3社の平均金額の±20%以内が適正範囲の目安です。それ以上安い場合は、以下のどれかに該当していることが多いです。
- 工事範囲を狭くしている:コーキングや付帯部が「別途」
- 塗り回数を減らしている:下塗り省略、または中塗りと上塗りを同色1回で済ませる
- 塗料を薄めて使う:メーカー規定の希釈率を超えて薄める
- 下地処理を省く:高圧洗浄やケレンの手抜き
春日部市のお客様で、他社の格安見積もりで塗装した結果、2年で塗膜が剥がれ始めたという相談がありました。調査すると下塗りが塗られていない箇所が見つかり、結局やり直しで二重の費用がかかってしまいました。安い見積もりが本当に「お得」かどうかは、工事完了後にしかわかりません。
追加費用を出さない見積もりの仕組み
「見積もり=最終金額」というのが私のスタンスです。追加費用をゼロにするために、見積もりの段階で以下を徹底しています。
- 現地調査で全面を確認:足場がなくても脚立と双眼鏡で屋根や高所をチェックし、見落としを防ぐ
- 補修が必要な箇所を事前に特定:ひび割れ・コーキング劣化・板金の浮きなど、見積もり時点で全て拾う
- 各項目を数量で明記:「一式」は使わず、㎡数・メートル数で記載する
「あとから追加工事が発生しました」と言われるのは、そもそも最初の現地調査が不十分だったか、意図的に低い金額を提示して契約を取り、後から上乗せする手口のどちらかです。見積もり段階で「追加費用は発生しますか?」と聞いてみてください。明確に「出ません」と答えられる業者は、調査と見積もりに自信がある証拠です。業者を選ぶポイントも合わせてお読みいただくと、見積もり以外の判断基準も身につきます。
よくあるご質問
見積もりは何社取ればいいですか?
3社が理想です。2社では比較材料が少なく、4社以上になると判断がかえって難しくなります。地元の塗装店2社+大手1社のように、異なるタイプの業者を選ぶと金額差の理由が見えやすくなります。
見積もりが一番安い業者を選んではダメですか?
安い理由が「自社施工で中間マージンがない」であれば問題ありません。しかし、工事範囲が狭い・塗り回数が少ないなど中身を削って安くしている場合は注意が必要です。金額だけでなく、この記事のチェックリストで中身を揃えてから比較してみてください。
見積もり後にしつこく営業されませんか?
まともな業者であれば、見積もり後にしつこい営業はしません。私の場合、見積もりをお渡しした後は「ご検討ください」と一度だけフォローのご連絡をし、それ以降はお客様からのご連絡をお待ちしています。逆に、見積もり当日に契約を迫る業者は避けたほうが安全です。
田中 優(たなか ひろ)|優建装 代表
千葉県野田市を拠点に創業18年・施工実績500棟以上。アステックペイント登録店・プレマテックス取扱許可。現地調査から施工・アフターまで代表1人が責任対応。「一棟一棟大切に」を信条に、地域密着で誠実な仕事を続けています。
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